うちの息子”なーさん”のこと
子どもは、色んなことを知らないからこそ、多かれ少なかれ天然キャラだ。わが息子”なーさん”9歳もその一人といえよう。しかし、その天然というか破天荒ぶりが、はたして一般的なのかは、比較対象が娘1人(なーさんの姉)しかいないワタシにとって甚だ疑問である。
そんななーさんに振り回されて、げっそりすることもしばしばだが、今回は、そんななーさんの面白エピソードをいくつか振り返ってみたい。
エピソード1 言ってもわからない度合いがすごい
子どもって、同じことを何度言ってもわからない。わかっているのかもしれないけど、わかっていてやらないのかもしれないけど、とにかく親の言うことを聞かない。
家の中をドンドン歩くな、家の中で大きな声を出すな、片づけろ、風呂に入れ、勉強しろ、プッチ(飼い犬)にちょっかいを出すな、少しは手伝え・・・。
母親を12年間やってきて、子どもというものが、幼稚園児だろうが、高校生だろうが、できないのが当たり前な生き物なのだと学んでからは、なるべく仏の心で見守るようにしているが、たまに言ってもわからない度合いがすごすぎて、怒りを超えて笑ってしまうことがある。
例えば、夫が徹夜仕事で帰ってきた朝のこと。「パパ、疲れているから静かに寝かせてあげてね」と息子に伝えた直後、なーさんはそれを1ミリたりとも理解することなく、第九を大音量で歌いながら、夫が寝ている2階へと足を踏みしめ駆け上がっていった。
エピソード2 おじさんを驚かせる
なーさんは、外に出かけているときも大人しくしていられない。走れるスペースが少しでもあれば、短距離であろうが全力で走り、クルクル回り、フラフラ歩く。この間も、駅の歩道でいきなり走り出し、おじさんにぶつかりそうになって、舌打ちをされていた。
おじさんネタは他にも。ある日、デパートに家族4人で出かけた時のこと。手をつないでいても動きが読めないなーさん。ワタシと娘の前を、夫と二人で並んで歩いていたが、急に夫から離れて「ポゥッ!」と大声で叫んだら、私たちを追い越そうとしていたおじさんが、驚いて「おぅっ」と言っていた。
エピソード3 ママの好きなキャラクター
なーさんの小学校では、月曜の図書の日になると、3年生が本を3冊借りて家に持ち帰ってくる。
ある時、なーさんが、「面白い本があったから借りてきたよ」といって『ことわざキャラクター図鑑』なるものを借りてきた。なーさんが本を借りる基準は、いつも面白いかどうか。そして、そのキャラクター図鑑は、ことわざ毎に色んなキャラクターのイラストが描いてあり、確かに面白そうだった。
その夜、なーさんと一緒に図鑑を眺めていると、「ママが好きそうなキャラクターを選んであげるよ」といって、かわいいキャラクターを選んでくれた。「あ、かわいいね~」と共感したワタシだったが、そのキャラクターが描かれているページのことわざは、「海老で鯛を釣る」だった。
エピソード4 近すぎる変顔
うちの子どもたちは、よく変顔をする。
ある時、なーさんが、「ママ、見て」とワタシに向かって変顔をしたが、なんとワタシの顔の真横でやっていた。近い。近すぎる。それじゃあ、いくら変顔をしたところで見えないだろうよ。
エピソード5 勘違い
なーさんは、昔から聞き間違い、書き間違い、言い間違いが多い。
親としては、そんななーさんがかわいいので、いつまでも訂正せずにいるのだが、そろそろ教えてやるべきか、他人に指摘されて自分で気づくまで放っておくべきか悩みどころである。
オッケーグーグル
⇒オッケーグルグル(言い間違い)
うっせー うっせー うっせーわ
⇒うっせ うっせ うっせは(書き間違い)
すっとこどっこい
⇒すとっこどっこい(言い間違い)
エピソード6 こびと
なーさんは、『こびとづかん』が好きだ。一時期、図書館で『こびとづかん』を借りてきては熱心に読んでいた。
ちょうどその頃、ケンタッキーで昼食をとった時のこと。トイレから出てきたなーさんの様子がちょっとおかしい。やけに静かで顔がいつになく真剣だった。「どうしたの?」と聞くと、こびとがいたと言う。
なーさんいわく、こびとの中には、トイレットペーパーの三角折りを得意とするシノビイエコビトというのがいるらしく、ケンタッキーのトイレにあるトイレットペーパーが三角に折られていたため、こびとのしわざだと思ったらしい。ワタシは、心の中で爆笑しながらも、なーさんのその純真さに優しく同調した。