夜眠れない日々が続く
人間の悩みの殆どが、人間関係に起因するという。かくいうワタシも、PTA活動やママ友との交流など、本来は関わらなくてもいい人たちとコミュニケーションをとらざるを得ない状況に置かれると、たまに精神をやられる。要は、人付き合いが苦手なのだ。
昔、フルタイムで働いていた頃、仕事で失敗した時や気になることがあると、よく睡眠障害に陥っていた。夜になっても頭がハイな状態が続きなかなか寝付けなかったり、早朝にふと目が覚めたり。それが癖として体に刻み込まれてしまったのか、自分にとって何か不愉快なことがあると今でもたまに寝付けないことがある。
1年ほど前、人間関係で究極に嫌なことがあり、そのことで四六時中頭がいっぱいだったことがあった。忘れようとしても忘れられない。ワタシの脳は、それを忘れることを許してくれない。十分な睡眠がとれないと日常生活に支障をきたすので、どうしても睡眠がとりたいのだが、寝なければと思うほど頭は冴えわたる。嫌な記憶も波のように押し寄せる。あぁ悪循環。
布団の中で振り返れば奴がいた
そんな時、布団の中からふとあるものに目が留まった。そいつは、息子がいつも一緒に寝ているぬいぐるみ軍団の中にいた。30センチほどあるももいろの体。ずん胴の胴体。エラが無ければ正体不明のその物体は、ウーパールーパーだった。それまで気にも留めていなかったウーパーは、夫が子供のためにゲームセンターで獲得した代物だった。
なんとなくウーパーのお腹に片手を乗せて目を閉じると、適度な弾力と滑らかな肌触りが心地よく、言いようのない安心感に包まれた。ウーパーに触れている手に集中していると、心身ともにリラックスしていく自分がいた。ワタシは、いつの間にか眠ってしまっていた。
ぬいぐるみと添い寝する効果
ウーパーと眠りを共にしてからというもの、ワタシの入眠困難は驚くほど解消された。かといって、人間関係の根本的な問題が解決されたわけではない。日中起きている時は、やはり嫌な気持ちが何度もせりだしてくる。しかし、ウーパーのおかげで夜は眠れてしまうのだ。
何も語らずに口を開けて笑うウーパーは、否定も肯定もすることなく眠りにつこうとするワタシに安心感を与え続けてくれた。ぬいぐるみだから話をしないのは当たり前だけど、それがかえっていいのかもしれない。来るもの拒まずというただそこにいるだけの存在が、疲れた心に癒しを与えてくれるのだろう。
ぬいぐるみの選び方で効果は変わる
わが家のウーパーは、ある程度の大きさと弾力、そして優しい色づかいと肌触りを持ち合わせている。そして、表情がゆるい。息子が大切にしているぬいぐるみは大小合わせて30個を超えるが、中でもウーパーがワタシに一番合っていると思う。いや、ウーパーじゃなければダメなのだ。
ぬいぐるみなら、何でもいいというわけではない。視覚や手の平から感じる自分の感覚にマッチするかどうかで、添い寝時の安心感が全く違ってくる。もし、不眠に悩んでいる方がいたら、自分好みのぬいぐるみをひたすら探して、そのリラックス効果を体感してみてほしい。大の大人がぬいぐるみを選ぶ姿を想像して一人で赤面してしまうかもしれないが、背に腹は代えられない。だって、眠れない夜は本当に辛いから。この際、大人も子供も男も女も関係ないのです。ぜひ、お試しあれ。